山陽リレーコラム「平井の丘から」

デジタル社会に想う 米田瑞生

掲載日:2024年5月1日
カテゴリ:地域マネジメント学科
昨年の着任以来、情報系の講義を担当しているためか、周囲からは余程のデジタル人間だと思われている節があります。しかし、実はかなりのアナログ人間なのです。身につけている腕時計は機械式(ゼンマイ仕掛け)、自宅の置き時計も「おじいさんの古時計」さながらのほぼ100歳の振り子時計(もちろんゼンマイ仕掛け)です。そして、蓄音機で音楽を聴くのも細やかな楽しみです。

我々昭和生まれ世代が知っている「レコード」は、所謂LP盤ですが、蓄音機で再生できるディスクは更に古い、SP盤と呼ばれるものです。特に1925年以前の録音は、空気中を伝搬する音声の振動を針でディスクに直接刻み込んで記録したもので、電気的な増幅を経ていない、現在のデジタル技術とは対照的な手法です。
過日、この蓄音機に興味をもった友人らが集まり、ちょっとしたコンサートのようなことを行いました。電気が介在しないにも関わらず、大音量で奏でられる音楽に、皆驚いているようでした。

今日、我々は音楽のデータのみを購入し、もはやディスクといった物理的メディアを手にしない時代になりました。場所も質量もなくデータを入手できる利便性は、画期的です。しかし、我々のスマートフォンやパソコンに保存したデータは、その後どうなるのでしょうか?クラウド化した現在、完全に失われることはないかもしれませんが、どのデータがどこにあるのか、将来の世代は把握できるのでしょうか?

その点、仕組みが明らかで修理・メンテナンスが容易であり、物理的にメディアが存在するアナログ機器・データは、実は世代を超えて受け継がれやすいものなのかもしれません。ロゼッタストーンが、デジタルデータでなくて良かった、そう思う今日この頃です。
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