山陽リレーコラム「平井の丘から」
Safe Singapore! 奥田美香[2025年3月19日]
掲載日:2025年3月19日
私は、昔、シンガポールに4年間住んでいました。
みなさんは、シンガポールと聞いて何をイメージされますか。マーライオン(思うよ小さかったです)、船の形のホテル(マリーナベイ・サンズ)などなど、観光地として有名ですが、東京23区ぐらいの小さな国で、貿易に支えられている国でもあります。けれども、実はシンガポールといえば、まず、「安全」なのです。
私も住んでびっくりしましたが、日本より安全な国だと思う出来事がありました。シンガポール料理として有名なチリクラブ屋で、勤務先の歓迎会がありました。歓迎会でたくさんお酒を召し上がられていたマネージャーさんは、家に帰ろうと、お店の近くのバス停でバスを待っていたそうです。しかし、そのまま眠ってしまい、バス停で夜を明かしたそうです。
そこは、赤道直下の年中真夏のシンガポール。風邪はひかないにしても、悪い人にお財布を盗られることは十分に考えられます。しかし、そんなことは一切なく、優しい誰かが新聞紙をそっとかけてくれていたようで、朝を迎えたようです。さらに、ペストコントロールで蚊が駆除されているため、蚊にも刺されなかったとのことでした。
行ってすぐだったので、これを聞いてとても驚きました。海外旅行が好きで、いろんな所へ行きましたが、今のところ、シンガポールほど安全な国は見つかっていません。最初、シンガポールで生活することが決まった時、不安でしかありませんでしたが、意外と行ってみると、すぐにいろんな国の友人もできて、あっという間の4年間でした。
言葉の壁もある中で、シンガポールで生活できたことはいい経験で、なにものにも代えがたいプライスレスな時間だったと思います。今振り返ると、あの4年間は、チャレンジすることの重要さと、それによる広がりの可能性を実感させてくれる時間でした。これからも、新しい場所や経験に対して前向きに挑戦できればと思います。
そして皆さんも、春の訪れとともに、新たな挑戦を楽しんでください。
みなさんは、シンガポールと聞いて何をイメージされますか。マーライオン(思うよ小さかったです)、船の形のホテル(マリーナベイ・サンズ)などなど、観光地として有名ですが、東京23区ぐらいの小さな国で、貿易に支えられている国でもあります。けれども、実はシンガポールといえば、まず、「安全」なのです。
私も住んでびっくりしましたが、日本より安全な国だと思う出来事がありました。シンガポール料理として有名なチリクラブ屋で、勤務先の歓迎会がありました。歓迎会でたくさんお酒を召し上がられていたマネージャーさんは、家に帰ろうと、お店の近くのバス停でバスを待っていたそうです。しかし、そのまま眠ってしまい、バス停で夜を明かしたそうです。
そこは、赤道直下の年中真夏のシンガポール。風邪はひかないにしても、悪い人にお財布を盗られることは十分に考えられます。しかし、そんなことは一切なく、優しい誰かが新聞紙をそっとかけてくれていたようで、朝を迎えたようです。さらに、ペストコントロールで蚊が駆除されているため、蚊にも刺されなかったとのことでした。
行ってすぐだったので、これを聞いてとても驚きました。海外旅行が好きで、いろんな所へ行きましたが、今のところ、シンガポールほど安全な国は見つかっていません。最初、シンガポールで生活することが決まった時、不安でしかありませんでしたが、意外と行ってみると、すぐにいろんな国の友人もできて、あっという間の4年間でした。
言葉の壁もある中で、シンガポールで生活できたことはいい経験で、なにものにも代えがたいプライスレスな時間だったと思います。今振り返ると、あの4年間は、チャレンジすることの重要さと、それによる広がりの可能性を実感させてくれる時間でした。これからも、新しい場所や経験に対して前向きに挑戦できればと思います。
そして皆さんも、春の訪れとともに、新たな挑戦を楽しんでください。
父の旅立ちに想う 濵松恵子[2025年3月3日]
掲載日:2025年3月3日
カテゴリ:看護学研究科・助産学専攻科・看護学部
元気だった父が旅立ちました。旅立つ前の1ヶ月、父は入院生活を送りました。
「少し先の話」と思っていた親の介護はある日突然やってきました。晩婚化に伴った出産年齢の高齢化で、子育て中ながらも介護の必要性が出てくる「ダブルケア」が増加傾向といわれていますが、私も例外ではありませんでした。
仕事と育児と介護に追われ、悩みが尽きない日々に、その気持ちを和らげてくれたのは職場の方々でした。「休んで早く行ってあげて。」「代われることは代わるよ。」と幾度となく声をかけていただきました。また、「私は認知症の母が一人暮らし・・・。お父様のこと大変でしょう。」「父は入院していて、母は介護が必要で・・・。」と経験を話してくださる方も少なくありませんでした。
あの時優しく声をかけてくださった方々は、仕事と介護の両立に今日も悩んでおられると思います。介護は誰もが直面する可能性があるもの。「お互いさま」という気持ちで、協力したいと強く思うようになりました。
もうひとつ父の旅立ちを通して考えたことがあります。
私は「看護過程の展開」という科目を担当しています。看護師は看護過程を展開して、患者様に対してどのように看護を行うか決定し、実践します。父が旅立ったのは、ちょうど臨地実習が始まろうとする2年生に、“看護師らしく考える”ことを講義している時期でした。
父は回復の兆しがあったものの急変し、私が病院に着いた時には息を引き取っていました。主治医の説明を聞きながら、電子カルテに目をやると、おそらく担当看護師の方が入力されたその日の父の言葉が入力されていました。『ありがとうございます。すみません。』謙虚な父らしい最期の言葉だなと胸がいっぱいになるとともに、看護記録が残すものの大きさを感じました。
看護過程に看護記録は欠かせませんが、臨地実習における実習記録は学生にとって難題です。私は学生たちに、この看護記録のおかげでとても救われたことを講義で伝え、今、学生とともに臨地実習に臨んでいます。
「少し先の話」と思っていた親の介護はある日突然やってきました。晩婚化に伴った出産年齢の高齢化で、子育て中ながらも介護の必要性が出てくる「ダブルケア」が増加傾向といわれていますが、私も例外ではありませんでした。
仕事と育児と介護に追われ、悩みが尽きない日々に、その気持ちを和らげてくれたのは職場の方々でした。「休んで早く行ってあげて。」「代われることは代わるよ。」と幾度となく声をかけていただきました。また、「私は認知症の母が一人暮らし・・・。お父様のこと大変でしょう。」「父は入院していて、母は介護が必要で・・・。」と経験を話してくださる方も少なくありませんでした。
あの時優しく声をかけてくださった方々は、仕事と介護の両立に今日も悩んでおられると思います。介護は誰もが直面する可能性があるもの。「お互いさま」という気持ちで、協力したいと強く思うようになりました。
もうひとつ父の旅立ちを通して考えたことがあります。
私は「看護過程の展開」という科目を担当しています。看護師は看護過程を展開して、患者様に対してどのように看護を行うか決定し、実践します。父が旅立ったのは、ちょうど臨地実習が始まろうとする2年生に、“看護師らしく考える”ことを講義している時期でした。
父は回復の兆しがあったものの急変し、私が病院に着いた時には息を引き取っていました。主治医の説明を聞きながら、電子カルテに目をやると、おそらく担当看護師の方が入力されたその日の父の言葉が入力されていました。『ありがとうございます。すみません。』謙虚な父らしい最期の言葉だなと胸がいっぱいになるとともに、看護記録が残すものの大きさを感じました。
看護過程に看護記録は欠かせませんが、臨地実習における実習記録は学生にとって難題です。私は学生たちに、この看護記録のおかげでとても救われたことを講義で伝え、今、学生とともに臨地実習に臨んでいます。
過去記事一覧