山陽リレーコラム「平井の丘から」
地元の味から考える、食と農のつながり 大宮めぐみ[2026年1月27日]
掲載日:2026年1月27日
カテゴリ:地域マネジメント学科
みなさんは地元の特産品や農産物と聞いて、どのようなものを思い浮かべますか。
このコラムを書いているのは1月中旬。お正月気分もすっかり抜けましたが、私の地元・広島県福山市には「くわい」という特産品があります。ミニトマトほどの丸い形に立派な芽が出ていることから正月料理に使われる縁起物として知られ、全国に出荷されています。
一方で地元では、冬になると小売店の店頭に並び、普段の食事でも小ぶりなものを素揚げにして食べるなど、子どもの頃から身近な農産物として親しんできました。私も大好きな食べ物の一つです。
現在、私たちの食事は生産・加工・流通といった長い過程を経て食卓に並んでいます。さらに、その約6割を輸入品に頼っているのが現状です。まさに食と農の距離は世界規模で広がっているのです。
一方で、食と農を改めて結び直そうとして生まれたものが地産地消です。地産地消は、経済合理性や利便性を過度に追求してきた農業生産・流通そして食生活を見直し、地域で生産された農産物を地域で消費することを通じて、現代社会のあり方を問い直す取り組みでもあります。
先日このテーマを講義で取り上げた際、まず直売所や地場産農産物の話をしましたが、学生たちはあまりピンときていない様子でした。しかし、代表的な取り組みとして学校給食の話題を出すと、地元の料理や農産物の名前が次々に挙がりました。実は、冒頭で紹介した「くわい」も学校給食で口にしていた食材の一つです。我が家は家庭でも出ていましたが、給食で食べた記憶がはっきりと残っています。
食の経験は私たちの中に確実に根付いています。そして、その料理をたどっていけば農業やそれらを支える人々の営みがみえてきます。身近な食事を手がかりに、地域の農業や産業について、あらためて考えてみるのもよいのではないでしょうか。
<参考文献>
『食と農の経済学〔第2版〕-現代の食料・農業・農村を考える-』橋本卓爾ほか編著
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