山陽リレーコラム「平井の丘から」

マラソンを通じて思うこと 森本眞寿代

掲載日:2024年1月23日
カテゴリ:看護学研究科・助産学専攻科・看護学部
私は昨年4月に本学に着任した。なので、名刺がわりに、私の趣味について少し書いてみたい。

気の向くままに河原の土手を走っていたのだが、気が付けば20年もの月日が経った。元々、運動はそう得意な方ではなかったが、なぜか昔から長距離は早い方だった。40歳になる前、下の子が小学校に上がったことをきっかけに、運動を習慣にした。気が付けばフルマラソンに出場するのが趣味となっていた。さらに、大会が近づけば、計画的に体力と耐久力を鍛え、当日の完走に向けて調整に入る。

「走ること、特にマラソンはきついでしょう。何が楽しいの?」と聞かれたことがある。「楽しい」という言葉は出てこない。しかし、慣れてしまえば、苦しいとも思わない。むしろ走った後の身体の軽さが心地よい。気持ち良い汗をかくことで体調も気分も爽快になる。免疫力が上がり、感染症になりにくいというメリットもある。

とはいえ、練習不足で出た大会では後悔だらけとなることもある。膝・腰・肩まで痛くなる。息切れし、気力も消耗する。そんな時は、「きついならスピードを落とし、無理をしなければよいのだ」と自分にいい聞かせ、ゆっくりと走っていく。カメの歩みのレベルかもしれない。しかし、若干の体力のもどりを自覚すると、逆にスピードを上げるのだ。止まらないと決め、とにかく前に進む。止まってしまえば、次にギアが上がらなくなるからである。

走りながらよく思うのだが、マラソンは人生に似ているのかもしれない。苦しい時もあるが、調節しながら前に進めば良いのである。走り抜けた後に得られるものは、沢山あるが、一番は自分に対する満足ではないだろうか。

コロナ禍で一時大会が中止となり、その影響で最近は走れなくなったなとよく思う。しかし、そろそろギアを上げ、還暦まではフルマラソンで汗をかきたい。そして、その後はというと、救護担当として大会を支えるのも良いかもしれない。
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