山陽リレーコラム「平井の丘から」

茶道の心得 野々上敬子

掲載日:2023年3月30日
カテゴリ:こども育成学科
 先日、本学の卒業式が行われました。新しい世界へ羽ばたいていく若い人たちを見ていると、これからどのような出会いをしてどのように成長するのか、楽しみでもあり羨ましくも感じました。引き締まった礼服姿はもちろんのこと日本の正装である着物姿も雅で素晴らしかったです。私も着物で列席させていただきました。
 着物は、趣味でしている茶道の場でよく着ます。子どもの頃、お菓子の美味しさにつられて始めたのですが、未だに続いてお稽古をしています。こんなに長く続けられるのは、お茶には色々な楽しみ方があるからです。季節によって変わる掛物や花、道具組、目を楽しませてくれる和菓子、茶室の中だけでなく、外を見れば木々の色、風の様子が変わります。ただお茶を点てて飲むだけではなく、お茶のお連れとお茶の銘柄を当てる遊びをしたり、懐石料理を作って会食し、その後一服のお茶を楽しんだり・・・そして、人を招くには四季折々の花を入れ、道具立ても自分なりに工夫し、来てくださる方に喜んでいただけるよう準備をする、忙しさのなかにもワクワク感があります。
 茶道の心得を表した語に「一期一会」があります。その出会いを一生に一度しかないものとして、誠心誠意尽くすという意味です。相手に寄り添った気配り、心配り、思いやりは、人間関係を上手く築く上で大切なことだといつも感じています。
 これからも、私は人との出会いを大切にして、精進していきたいと思っていますし、この度卒業された皆さんには、これからの様々な出会いをぜひとも大事にしてほしいと思います。
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