山陽リレーコラム「平井の丘から」
いよいよオープンキャンパスが始まります 岡田 典子[2019年6月18日]
6月のある週末、早朝に車を走らせていると、同じ体操服を着てヘルメットをかぶり自転車に乗った男子中学生の列に出会いました。
20人位だったでしょうか。その列のなかにブカブカで真っ白な体操服が初々しい生徒が数人、先導する上級生から遅れまいと前を睨み力強くペダルを漕ぐ姿がありました。「入部して初めて練習試合に行くのかな。」などと、一人あれこれ想像しながら、彼らの無事と健闘を祈りました。そして、保護者や先生方もきっと同じ気持ちで彼らを送り出したことだろうと、思い巡らせました。
目の前の中学生の姿と重なって、ふとオープンキャンパスの体験授業の光景が目に浮かびました。
教員や在学生の話に熱心に耳を傾けておられる方、「山陽学園で学びたい」と決めて何度も参加される方、緊張した面持ちで質問に来られる方、そして、親ならではの視点から子どもたちをサポートしようと保護者の方々が毎年数多く参加してくださいます。在学生も、授業での学びの成果を発表したり、「自分達の経験が役に立つのであれば」と学生生活の体験談を語ってくれたりします。
教育に携わる者として、本学に入学して学びを積み重ね、夢を実現されることを願うと同時に、改めて自らの役割と責任の重さを感じました。
いよいよ、本学でも今年度のオープンキャンパスが始まります。
「ぼたもち」の思い出 廣田 幸子[2019年6月5日]
岡山に来て約2ヶ月が経ちました。先日、家の近くのスーパーマーケットに行って気がついたことがあります。惣菜売り場に「ぼたもち」がないことを、、、
私の故郷、福岡県の筑豊地方では、総菜売り場に1年中、ぼたもちが並んでいます。筑豊地区はかつて、石炭の産地でした。その石炭を採掘すると捨石(ぼた)とよばれる石が発生します。その捨石が山のように積み上がった山を「ぼた山」と呼び、ぼた山は、故郷の風景でもあります。炭鉱の仕事は重労働なので、甘いお菓子が必要だったことと、故郷のぼた山よりぼたもちを好んだのでしょう。
その「ぼたもち」には同じ食べ物であって、食べる季節によって呼び分けられている「おはぎ」があります。春の彼岸の頃に咲く牡丹の花より「牡丹餅=ぼたもち」、秋の彼岸の頃に咲く萩の花より「お萩=おはぎ」、日本には四季があるからこそ、その季節に咲く花の名前がつくなんて素敵ですね。
また、ぼたもちに欠かせない食材として、小豆があります。小豆は日本古来の食べ物として親しまれ、その食べ方には赤飯や小豆飯、餡などがあります。その赤飯や小豆飯の飯は、赤く色づきます。その赤く色づいた飯には、小豆の種子に含まれるアントシアニンなどのフラボノイドが結合しています。現在、私は、飯に結合した小豆フラボノイドが飯でんぷんの消化を抑制できることをテーマに、研究を行っています。研究で使用する小豆を見ると、祖母が作ってくれた粒あんのぼたもちが食べたくなります。